動画の撮影の際に重要なビデオカメラの基本設定(ホワイトバランス、アイリス、ゲイン)

動画の撮影の際に重要なビデオカメラの基本設定(ホワイトバランス、アイリス、ゲイン)
前回ビデオカメラについて紹介した流れで、今回は撮影に当たっての重要な設定について書いてみます。
今回使っているカメラはSONY PXW-Z90です。
小さいながらもXDCAMというラインナップの商品で、2019年製なのですが、今も現役で仕事に使っています。
(もはや、中古でしか売ってないですね・・・。)
NDフィルタ
普通はホワイトバランスから設定するのですが、よく晴れた野外での撮影の際には、NDフィルタから先に設定します。

NDフィルタは、現場が明るすぎる場合に、カメラに入ってくる光量を落とすため、つまり暗くするためのフィルタです。
普通はレンズの前に「NDフィルタ」を装着して暗くするのですが、Z90にはあらかじめNDフィルタ機能が内蔵されているので、カメラのお尻にある部分で設定できます。とても便利です。
今回はすごく晴れたいい天気だったので、ND3でかなり暗くしていますが、これでちょうど良かったです。

ホワイトバランス
次に設定するのが「ホワイトバランス」です。
「ホワイトバランス」は、「白いものが正しく白く写るようにするための設定」のことです。
これがうまく合っていないと、全体の色味が赤っぽくなったり、青っぽくなったりして、後で直すのが大変なのでまず最初に忘れずに合わせます。
Z90のモニターで言うと、この下位置に書いてあるのが「ホワイトバランス」のアイコンです。

現場で白い紙などをカメラの前に差し出し、「ワンプッシュ」という方法で実行すると、カメラが自動的に現場のホワイトバランスを認識して適切な色温度に合わせてくれるという設定です。
Z90の場合、「A」「B」という2種類のメモリーに覚えておくことができます。
また、色温度を設定して、マニュアルで合わせることもできます。
カメラ複数台で撮影をする際には、3500Kとか、5000Kとか、同じ数値にしておくことで色味が近くなるので、編集での調整が楽になります。
こういうよく晴れた野外での撮影ではオートホワイトバランスでキレイな色になることが多いですが、室内の場合には青すぎたり、逆に赤すぎたりする場合があるので注意してホワイトバランスを設定する必要があります。
アイリス、ゲイン、シャッタースピード
最初にNDフィルターで明るさをかなり絞ったわけですが、そこからさらに明るさを調整するための設定が、アイリス、ゲイン、シャッタースピードです。
画面で言うと、
左側の「F 3.1」と書いてあるのがアイリス(もしくは絞り)
真ん中の「0 dB」と書いてあるのがゲイン(感度)
右側の「50」と書いてあるのがシャッタースピードです。

まず、シャッタースピード 50と書いてあるのは、本当は「1/50 秒」のことで、センサーに光が当たっている時間を指します。
例えば、このシャッタースピードを100 つまり1/100秒に変えると、センサーに光が当たる時間が減るので、映像は暗くなります。
また、野外ではあまり気にしなくていいんですが、蛍光灯の下で撮る場合や、モニターに映ったものを撮影する時、フリッカーといって画面が明滅するような症状が出る時があります。
関東では50の倍数、関西では60の倍数にするとフリッカーが軽減されることが多いです。(電源周波数が影響しています。)
ということで、私の場合は一旦50 でスタートしてみて、あまりにも映像が明るすぎたら100などにしています。
なお、フレームレートの数(今回は29.97fps)よりも小さくすると、映像がコマ撮りをしたようにカクカクして、映像がブレます。やってみると面白いですが、実用には向かないのでやめた方が良いです。
次に、アイリス(絞り)を調整します。
これも「F 3.1」とありますが、数値を上げていくと、センサーに入る光が絞られて、映像が暗くなります。
このZ90の場合、F 2.8くらいまでしか下げられなくて、この現場では一番下げても(つまり、一番絞りを開いても)F 3.1でした。
絞り値を下げても明るさが足りない場合は、ゲインを上げます。
ゲインは機械的に感度を上げているものなので、上げすぎると映像にざらざらとしたノイズが出てきます。
なので、なるべくゲインは0dBで行きたいと思っているのですが、スチール撮影のメイキングとか、暗めの廊下での撮影で照明を当てられない場合などは、しょうがないのでゲインをあげて明るさを確保しています。
9dBくらいまでならいいかな・・・と思っているんですが、12dBくらいからノイズが目立ってくるので注意が必要ですが、黒が潰れてしまうと編集でもどうにもならないので、しょうがないのです。
ゼブラ
空のあたりにシマシマ模様が出ています。
よく撮影のモニターを確認しにきたプロデューサーさんとかに「モアレが出てますね」と言われるんですが、これはゼブラといいます。

ゼブラは「白飛びしそうな部分」を示しているだけで、録画した映像には映らないものです。
人物を撮影する際に、顔全体にゼブラが出ていたらそれは完全に露出オーバーなので絞らないといけないという目安になります。
本当は出さないように映像を暗くするべきなんですが、人物の後ろの白い壁とか、室内の遠くに写っている窓など、白飛びしてもいい部分はゼブラが出ているまま撮ることもあります。
今回の空も一部にゼブラが出ていますが、このくらいであれば大丈夫なのでそのまま撮りました。
撮影した素材のスクリーンショットがこちらです。

色味と明るさの調整について書いてきましたが、一番大事なのは「適正な色味、明るさで撮影すること」です。
数値に絶対的な正解があるわけじゃないので、モニターを見ながら「白飛びがないか」「黒潰れがないか」を確認しながら撮影してみてください!
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